コラム

シニア犬との毎日をもっと豊かに。“犬のリハビリ”のはじめ方

こんにちは。
千葉県で犬のしつけトレーニングを提供している、ドッグトレーナーの佐藤です。

今日は「これから“犬のリハビリ”がもっと必要になるな」と感じた理由を、専門職の視点からお話ししたいと思います。

犬の寿命が延びた今、必要なのは“リハビリ”という考え方

うれしいことに、獣医療の進歩や飼育環境の改善によって、犬の寿命は40年前と比べて約2倍に延びているという報告があります。

でも、寿命が延びるということは、「老い」と向き合う時間が長くなるということでもあります。

  • 最近散歩に行きたがらない
  • 段差をためらうようになった
  • 呼んでも反応が鈍い気がする…

もしあなたの愛犬に、こんな変化が見られたら、それは年齢や身体の変化によるサインかもしれません

そんなときにこそ、知ってほしいのが「犬のリハビリテーション」という考え方です。

「年だから仕方ない」で終わらせないために

人間と同じように、犬も年齢を重ねると…

  • 筋力や柔軟性の低下
  • 関節や姿勢の崩れ
  • 認知機能の衰えによる行動の変化
  • 慢性疾患

など、さまざまな変化が現れます。

でも、それらすべてを「年だから」とあきらめる必要はありません。
犬にも、“生活の質”を維持・向上させるサポート=リハビリがあっていいはずです。

リハビリってどんなことをするの?

「犬のリハビリって、具体的に何をするの?」
そんな疑問を持つ方もいると思います。

以下のような取り組みがリハビリになります。

  • 筋力や柔軟性の維持向上
  • バランス可動域の改善
  • 痛みの軽減
  • 日常生活動作(ADL)の支援
  • 認知機能や意欲のサポート

実際には、このような日常に取り入れやすい取り組みが、シニア犬のリハビリとして行われることがあります。


✅ 1. 軽いストレッチやマッサージで血流を促す

筋肉や関節の柔軟性を保つことで、可動域の低下や痛みを予防・軽減することができます。
日々のスキンシップを通じて、痛みや緊張のサインにも早く気づけるメリットがあります。


✅ 2. におい探しや遊びを通じた「認知刺激」

認知機能の低下が気になるシニア犬には、探索行動や簡単なパズルおもちゃ、におい探しゲームなどが有効です。
環境エンリッチメントとして、犬の「考える力」を維持し、生活への関心や意欲を高めます。


✅ 3. ゆっくりとした段差昇降や歩行練習

筋力やバランス能力の維持に役立つ運動です。

ただし、関節疾患・椎間板ヘルニア・神経障害のある犬には負担になる場合があるため、獣医師と相談の上で取り入れましょう


✅ 4. アイコンタクトや「まて」「おすわり」などの日常トレーニング

行動のやりとりを通じて、社会的交流・飼い主との関係性・認知面を刺激できます。
「できたね」と褒められる経験は、シニア犬にとっても自信と喜びにつながります。

これらの活動は、体と心の機能を維持し、犬らしい生活を続けるためのサポートになります。

私の視点:作業療法士として、そしてドッグトレーナーとして

私は20年以上、人間のリハビリに携わる作業療法士として活動してきました。

作業療法では、たとえ病気や障害があっても
「その人にとって意味のある活動(作業)を通して、よりよく生きる」ことを目指します。

この考え方は、犬にもそのまま当てはまると私は感じています。

言葉で伝えられない存在だからこそ「観察」がカギになる

人間は「痛い」「つらい」「疲れた」と言葉で伝えることができます。
でも犬たちは、それを行動の変化でしか表現できません。

だからこそ、犬に関わる私たち専門家が——
あるいは、飼い主さんが——
「行動のちょっとした変化」に気づき、それをケアにつなげていく力が求められていると感じます。

犬も、犬らしい“その子の生活”を続けるために

「リハビリ」と聞くと、少し大げさに聞こえるかもしれません。
でも、犬のリハビリは特別なものではありません。

  • 「好きだった遊びが、また少しできるようになった」
  • 「自分の足でゆっくり散歩できた」
  • 「飼い主さんと目を合わせて一緒に過ごせた」

そういった、犬にとって意味のある活動を、できるだけ長く続けられるようにサポートすることが、犬のリハビリテーションの大切な意義ではないでしょうか。

犬のリハビリが、これからますます必要とされる時代へ

かつて、人間の世界でもリハビリテーションはあまり知られていませんでした。
しかし、高齢化が進むにつれて、その重要性は社会に受け入れられてきました。

今、犬の世界にも同じことが起きようとしています。

「高齢化社会」は、犬の世界でもすでに始まっています。
だからこそ、今のうちから「リハビリ」という視点を持つことが、とても大切なのではないでしょうか。

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